しゃぶしゃぶの由来~坂本竜馬は軍鶏しゃぶしゃぶが大好物だった!?

もくじ
こうしてしゃぶしゃぶは生まれた
代表的な日本料理であるしゃぶしゃぶの起源についてはいくつかの説があるようですが、羊の肉をしゃぶしゃぶして食べる「涮羊肉(シュワンヤンロウ)」という北京の火鍋料理が最も有力な説のようです。
この料理を日本に伝えたのは、戦時中に軍医として北京に赴任していた吉田璋也(よしだしょうや)という人だと言われています。
しゃぶしゃぶの歴史
吉田璋也は、戦後、1945年に京都の「十二段家」という料亭の二代目西垣光温に涮羊肉を伝えます。
そこで西垣氏はみんなの意見を取り入れて、羊肉を牛肉に替え、研究を重ねて日本人の口に合うゴマダレを開発して、1947年に「牛肉の水炊き」として店に出します。
これが今のしゃぶしゃぶとして日本全国に広がっていきます。
しゃぶしゃぶの名前由来
「しゃぶしゃぶ」と命名したのは、大阪スエヒロの永楽町店主、三宅忠一氏でした。店の従業員がおしぼりを盥の中でしゃぶしゃぶと洗う様子にヒントを得たとか。1952年のことです。
意外と知らないしゃぶしゃぶ鍋の由来
しゃぶしゃぶの専門店などで使われている鍋を見て、あれ?と思ったことはありませんか?真ん中に穴の開いた煙突のようなものがついていますよね。
あれは、昔、七輪で加熱していたので、そこから炭を入れることができるようにするためと、排気用通路を確保するために必要だったからなのです。
また、鍋と接する面積が増えるために、中の出汁の温度が均一に保たれるという効果をねらったものだとも言われています。
こうしてしゃぶしゃぶは「ポン酢」「ゴマダレ」で食べるようになった
日本に伝えられた涮羊肉は、さまざまな調味料を使って食べられていたようですが、それを紹介された十二段家で、約2年半ほどの年月をかけて考案されたのが、ゴマダレでした。
日本人の好みに最も合うと考えられたからです。やがて鳥の水炊きに使われているポン酢も使われるようになっていきます。
坂本竜馬は軍鶏しゃぶしゃぶが大好物!?
大阪市の本町にある「軍鶏・龍馬鍋 いっしん」(しゃもりょうまなべいっしん)というお店のメニューによると、「坂本龍馬が愛したといわれる軍鶏鍋」という文句が書かれています。
それを見ると、どうも坂本龍馬の好きだったしゃぶしゃぶは「軍鶏しゃぶ」だったようですね。
このひと手間がしゃぶしゃぶを美味しくする
しゃぶしゃぶを楽しむために必要なものは、まず「水」です。水だけでも作ることができますが、「昆布」そして「酒」があれば完璧。鍋に水を張り、そこに昆布を2枚ほど入れます。そこに酒を大匙1杯ほど入れたら、美味しい出汁のできあがりです。
まとめ
今のしゃぶしゃぶは、北京からもち帰ってきた涮羊肉をベースに、数人の日本人たちによって、2年以上もの年月をかけて創り出されたものだったのですね。
美味しいものを愛し、美味しいものをより美味しくするための努力を惜しまないというのは、今も昔も変わりがないようです。何といっても、あのゴマダレを考案した努力、これはもう拍手ですね。